今年も残りわずか。

テレビもラジオも何か落ち着きがありません。

街もそこを行き交う人々も何か落ち着きがありません。




そりゃ、そうですよ。








フィンランドのジジイの仕事始めですから!





そうです。

クリスマスどぇす。





オレ、意外と好きです。
このイベント。





ただ、昔は違いましたよ。

孤独な浪人生活を送っていた時とかはムカツキもしましたよ。






「隠れキリシタンに絶好のチャンスを与えやがって!」と。







「浪人」といういかにも江戸末期を彷彿とさせる身分だった当時のオレ。
欧米文化には極力染まるまいと固く決心しておりました。
一人静かに短期集中キャンペーンの展開です。
名付けて、





クリスマス鎖国!!





世間は浮かれるがいいさ。
大学生は浮かれるがいいさ。


みんなが浮かれてる間にオレはみんなの何倍も進化しちゃうんだから!!






クリスマスイブのその日はそう意気込んで予備校に向かったものです。
予備校に着いてみると、そこもいつもとはまた違った雰囲気。
カップルもいつもの三割増しくらいでいちゃついてやがります。





ふっ・・・。
せいぜいそうやって束の間の享楽に魅了されてればいいのさ。
君達、浪人生だろ??
ま、自己責任だからいいんだけどね。

そんなことしてる間に、オレ勉強しちゃうよ??





早速「クリスマス鎖国」展開です。
それまで一日たりとて勉強にやる気を見せなかったオレがめずらしく気合入り気味です。





真面目に授業に出席します。



鎖国してますから。





ノートも丁寧にとります。



鎖国してますから。





授業の録音までしちゃってます。



鎖国してますから。







う〜ん、クリスマスって勉強はかどるんじゃねー??

聖なる日に突如予備校に現れた仮設江戸幕府は自らの政策にご満悦です。






でも、ちとさびしい・・・。



「おい、そこの盛り上がってる皆の衆!」

「余も混ぜてはくれぬかのぉ〜?」





なぁ〜んて言えたら12月まで一人でいねぇっての・・・。







ふんぬぅ〜!



長崎はいずこじゃ?






将軍様、少々心惑わされ過ぎです。


いかん!
これでもそれがし鎖国中の身!

心頭滅却すれば日もまた過ぎし!!!




ムードに押され気味のまま、最後の授業は古文です。




古文か!


そうか、古文か!!




鎖国にはなんて持ってこいの科目なのでしょう。
アメリカの話やヨーロッパの話など1文字も出てきやしません。

それどころか、カタカナがまず出てこない。
せいぜい



「ラ変」の「ラ」とかその程度です。





ふふふ・・・。

さらば、グローバル社会!





「古文」という名の見えない沿岸警備隊に守られ、オレの「クリスマス鎖国」は無事完了するかと思われました。






が!!!






緊急事態発生!



「修正液が出てこない事変」勃発!!!





重さからして中身はまだ入っていると思われるのに、出てこない・・・。
こいつは大変だ!




オレは古文のノート作りにはこだわりを持ってました。

予習の時点でまず黒のペンで原文を書く。
単語の活用形などは青いペンで補足。
そして、現代語訳を脇にシャーペンで書く。


授業中は赤いペンで単語同士の結びつきなどを線や丸で書きこんでいました。





なので、一番ペンを多用する科目である古文の授業で修正液が出てこないのはオレにとって超緊急事態。



「年末年始の特番シーズンに安部なつみが謹慎している状況」に匹敵します。






オレの「こだわりノート作成」の必需品である修正液に甚大な被害が起きてしまった以上、まずは復旧作業に全力投球。


カチカチ振ってみたり、さきっちょのカスをきれいに取り除いてみたり・・・。
その作業を始めて30分経過・・・。



一向に復旧のめどは立ちません。
修正液の蘇生は完全に失敗。




もはや、全てのやる気を失ったオレは残りの時間を落書きとかに費やしてしまいました。







キーンコーンカーンコーン・・・







無情にも終業のベルが鳴りました。
と、その時です。





「修正液が出てこない事変」を上回る事件が勃発!








ふてくされたまま帰ろうとしたオレに隣から声が聞こえてきました。








「ノート・・・貸しますか?」










え・・・?



ふと見るとカワイイ女の子がオレにノートを差し出してるではありませんか!!













「Are you ぺりぃ〜?」











突然の黒船の来襲に「クリスマス鎖国」が大きく揺らぎ始めます。



頭の中では民衆達が「ええじゃないか!ええじゃないか!」と大騒ぎ。







「あの、なんか見てたらノート取れてなかったみたいなんで、

もしよかったら貸しますけ・・・」









「か、借りますっっ!!」







ソッコー「和親条約」の締結です。
この時、300年どころか1日ともたなかった「クリスマス鎖国」が終了しました。




その後、駅まで二人で帰ることになりました。




ウ〜ン、街のイルミがキ・レ・イ♪

おいおい、そこの行き急ぐサラリーマン達よ!




がっぶれすゆー♪






この変わり身の早さには自分でも嫌気がさしますが、今夜だけは許してあげます。

なんたって、クリスマスですもの♪





こういうときは不思議なもので、あっという間に時間は過ぎてしまいます。
すぐに駅に着いてしまいました。
そして、改札で手を振って別れました。








笑顔で階段を降りていく彼女の背中にオレは心の中でこうつぶやくのでした・・・。













ペりー・くりすます!!















後日ノートを返しに行った際、彼女の隣に彼氏さんがいたことは忘れるようにしています・・・。





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