やってくれるじゃないか、外務省。

先日の第3回日朝実務者協議の際、シブイ仕事をしてくれました。



報道では、横田めぐみさんの焼かれた遺骨に関してのニュースが大半を占めていたように思います。
事件解決のきっかけになるはずだった遺骨もDNA鑑定が不可能な状態で国民は落胆しました。


ところが、日本政府はがんばってくれちゃってたのです。
これまでの北朝鮮政府の対応のバカさっぷりを鑑みて、事前の準備を周到に行っていたようです。

訪朝前に夫と名乗るキム・チョルジュンという男と面会する予定があった今回は「特別な」下準備がされました。


当日、直接交渉に臨んだ藪中アジア大洋州局長は交渉に入る際、キム氏とかたい握手を交わしました。
今回の交渉にかける藪中氏の意気込みは相当なものだったようです。
日本政府は夫婦関係の証拠となる毛髪や血液のDNA採取を強く要求しました。
が、「工作機関に所属しているから無理」という訳のわからん理由で先方は要求を却下しました。
交渉は難航し、目立った収穫のないまま終了したかのように思われました。




しかーし!
藪中さんやってくれます。



政府間交渉の最中にちゃんと持ちかえってきてるんですよ。
キムの皮膚組織を!
いつどのようにして採取したのでしょうか。


それは、最初の握手の時です。
まず、キムと握手して自分の手のひらに相手の皮膚片をくっつけます。
次に、相手に悟られないよう極力自然な振る舞いでハンカチで手を拭きます。
その際、ハンカチに隠した特殊フィルムに皮膚片をこすりつけます。
これで採取は完了。
交渉終了後、訪朝団にしのびこませていた警察庁の鑑識のスペシャリストにハンカチを渡したそうです。



やりますな、藪中くん。
工作機関に所属してるヤツを相手にスパイ工作を仕掛けるとわ。




今回のこのミッションは藪中氏が自ら申し出たようです。
訪朝団のメンバーに警察庁の外事課長を始め、相当警察関係者をねじ込ませたようですね。

当然のことながら、このミッションに関しては外務省から相当な反対意見が出た様子。
そりゃそうですよ。
万が一ばれたら身柄を拘束されるのがオチですから。
ともすれば最悪殺されかねない相手ですからね。
しかも、交渉も決裂。
国交正常化など夢のまた夢に終わってしまいます。



外務省の反発を振りきり、その外務省の局長である彼は事前に相当練習したようです。
この「握手」の。
警察のスペシャリスト達とどうやれば自然に見えるかを打ちあわせし、他のメンバーの人達の立ち位置等綿密に下準備をしたようです。


通常の握手では対象者と自分の組織が混ざってしまうためにDNA鑑定は困難になるらしいのですが、その対策もバッチリ。
FBI御用達の捜査ツールメーカーから特殊な薬品を仕入れ、それを防いでいました。

その薬品は揮発性が高く、手に塗ってしばらくすると見た目も感触もわからなくなるようです。
それを手に塗り握手することで相手の皮膚片だけを採取できるという優れものです。



度胸だけではなく、適材適所・用意周到な準備があったからこそこのミッションが成功につながったのではないでしょうか。



キムの皮膚組織は日本へ無事持ちかえられDNA鑑定も既に終了しているとのこと。
この結果が今後の交渉において重要なカードになるかもしれません。





官僚の中にもこのように自らの命を張ってアツイ仕事をしている人達は大勢います。
そのアツイ魂と行動力に拍手です。


しかし、残念なことに政治家や官僚は一部の不届き者のせいで悪いイメージをもたれています。


「木を見て森を見ず」という教訓がありますが、「森を見て木を見ず」ということもありえるのではないでしょうか。
様々なことを「多角的に知る」ということはオレ達の責任でもあるのです。






「木も見て森も見る」という姿勢が求められているのかもしれません。